企業に勤めていたエンジニアが独立してフリーエンジニアになると、稼ぐために受け入れてくれる職場を探すことになる。初めて職場に出てみたときに常勤で働いていたときと同じように働けると思っていると、ギャップを感じてしまうことは少なくない。働き方が常勤か業務委託かということによって職場での待遇が大きく異なることが多いからである。契約上の待遇として基本的には定められた以上の労働を求められることはなく、残業が制限されている場合には時間通りに働くことができるだろう。
しかし、裏を返せばその時間内にできる限りのことを行わなければならず、常勤で働いていたときよりも高い効率性が求められることがしばしばある。仕事上での違いも大きいが、人間関係においてもギャップが生じることは珍しくない。期間を限定して業務委託を受けるというケースは多く、その期間しかいないエンジニアとして上司からは見られるようになるだろう。その影響を受けて、本当にその場で必要とされている仕事しか与えられず、いかに活躍をしても長期的なプロジェクトなどへの参入は求められないことは多い。
また、同僚からも一時的にしかいない人という印象を持たれやすく、常勤で働いているときに比べるとコミュニケーションが疎遠になりやすい傾向がある。やりたい仕事に集中するという目的で優れているのがフリーエンジニアで業務委託を受ける働き方であるが、常勤のときとの違いは明らかである。
さらに、フリーエンジニアには在宅で業務を行なうという選択肢もあり、企業に常駐する働き方と異なるメリットやデメリットがある。いずれにせよ、独立することによって働き方の違いが生じるため、そのギャップに苛まれることがないよう、それぞれの良し悪しをしっかりと理解しておくと良いだろう。